こんにちは、けんやです。
今回は、
GR IIIで、
F2.8で背景がボケる構図と、
ボケない構図の違いを見た話
というテーマでお話ししていきます。
RICOH GR IIIは、
ポケットに入る大きさで、
レンズが28mm相当の単焦点というカメラです。
売り物として1台入ってきたので、
出品する前に、
広島の有名スポット、平和公園で作例を撮りました。
時間があまりなかったので
やったことは1つだけ。
同じ場所を、
絞りF2.8とF8で撮り比べることです。
「F値を小さくすると背景がボケる」と、
初心者向けの解説で読んでいました。
ただ、
撮る前に自分で書いたメモには、
「遠い被写体だけだと、F2.8とF8の差はほぼ見えない」ともありました。
本当にそうなのか、
同じ日に、寄った構図と遠景だけの構図の両方を撮って確かめました。
結果は、
手前50cmの植え込みにピントを合わせた2枚は、
F2.8とF8で背景がはっきり変わり、
欄干越しに川を撮った2枚は、
並べても見分けがつきませんでした。
絞りを変えたときの違いについては、
前に一眼レフのD7500で、
うさぎの小物を撮り比べた記事を書いています。
あのときは室内で、
差が出たのは背景の無地の壁ではなく、足元の床の木目でした。

今回は屋外で、
28mmの単焦点で、差が出た場所と出なかった場所を見た話です。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- GR IIIで撮った作例6枚と参考4枚(F2.8とF8、設定データ付き)
- 同じF2.8なのに、背景がボケた構図とボケなかった構図の違い
- 中古のGR IIIを選ぶときに見ておきたいところ
なお、
普段私は中古カメラのEC販売をしており、
これまで8年以上、いろんなカメラを触ってきましたが、
撮る方はまだ初心者です。
GR IIIは、ポケットに入る28mm単焦点のスナップ機
GR IIIは、
2019年3月に出た、
リコーのコンパクトデジタルカメラです。
「GR3」と書かれることも多いカメラです。
レンズは28mm相当のF2.8で、
ズームはできない単焦点です。
小さいボディですが、
中のセンサーは、一眼レフやミラーレスにも使われているAPS-Cサイズです。
なので、
手前の物に寄って撮れば、背景はしっかりボケます。
電源を切るとレンズがボディの中に引っ込んで、
バッテリーとSDカードを入れても約257gなので、
ポケットに入る大きさです。
手軽に持ち歩けて、
難しい設定をしなくても、背景のボケた写真が撮れる。
それが人気の理由だと、売る側としても感じています。
実際、GR IIIは2024年に注文が多すぎて、
メーカーが一時的に受注を止めたことがあります。
そして2025年に、生産が終わりました。
公式ストアでは販売が終わっていて、
中古の値段が、新品のときの定価より高くなっています。
今回は面談の帰りに、
平和公園の川沿いで撮りました。

撮った条件:Av・ISO200で、絞りだけをF2.8とF8に変えた
撮った場所は、
平和公園の元安川沿いです。
「Av」は、
絞り(F値)を自分で決めると、
シャッタースピードをカメラが自動で決めるモードです。
「絞り」は、
レンズから入る光の量を、Fの数字で調整する仕組みです。
数字が小さいほど開いていて、大きいほど絞っています。
今回は、次の設定で固定しました。
- モード:Av(絞り優先)
- ISO感度:200
- 露出補正:0
- NDフィルター:オート
- 手ブレ補正:オン
- 焦点距離:28mm相当(単焦点なので固定)
カメラの設定で変えたのは絞りだけで、
この記事で比較するのは、F2.8とF8の2段階です。
同じ場所で、
カメラの位置と構図をなるべく動かさずに、
F2.8で1枚、F8で1枚撮りました。
本当はF5.6も撮る予定でした。
ただ、
前ダイヤルを回したところで止めてしまい、
液晶を見たらF4.5になっていました。
なので、
この記事では、3つの被写体から、F2.8とF8を1枚ずつ使います。
被写体は、
手前50cmの植え込み、欄干越しの川の遠景、柳の幹です。
GR IIIの作例6枚(植え込み・欄干の遠景・柳の幹 × F2.8・F8)
被写体ごとに、
F2.8、F8の順で並べます。
植え込み(手前50cmにピント)

手前50cmの植え込みの葉にピントを合わせました。
後ろの対岸の木は、
緑のかたまりになって、1本ずつの形が分かりません。
川の向こうの石垣も、
輪郭がなくなっています。

同じ植え込みをF8にした1枚です。
構図は少しずれて、
こちらの方が空と対岸が多く入っています。
対岸の木は、
1本ずつの輪郭が戻ってきました。
石垣の段も、
上の道を歩く人の姿も見えます。
手前の葉は、
F2.8とF8で同じように写っています。
この2枚が、
今回いちばん差が出たペアです。
欄干越しの川の遠景

橋の欄干越しに、
川と対岸の木を撮りました。
植え込みのときとは違って、
手前にピントを合わせる物がない構図です。

同じ場所をF8にした1枚です。
並べて見ても、
対岸の木や奥のビルのボケ方に、差が見えません。
作例1と同じF2.8なのに、
こちらの背景はボケていません。
理由は、作例のあとで書きます。
柳の幹

柳の幹に寄って、
樹皮にピントを合わせました。
右奥に、
対岸のビルと橋が入っています。

同じ幹をF8にした1枚です。
幹の樹皮は、
F2.8とF8でどちらも同じ細かさで写っています。
違いが出たのは、
右奥のビルだけでした。
同じF2.8で差が出たのは、ピントを合わせた物と背景の距離が離れた構図
3組をあらためて並べます。

植え込みは、
ピントを合わせた葉が50cm先で、
その後ろの対岸の木は数十m先です。
ピントの位置と背景の距離が大きく離れていたので、
F2.8で背景がボケて、F8で戻りました。

欄干越しの遠景は、
川も対岸の木も奥のビルも、全部が離れた場所にあります。
ピントを合わせた物も背景も遠くにあって、距離の差が小さい構図なので、
F2.8とF8で、見た目はほとんど変わりませんでした。

等倍まで拡大して、
ようやく対岸の木の葉が、F8の方で少し締まって見える程度です。

柳の幹は、
植え込みと欄干の中間でした。

右奥のビルを等倍で切り出すと、
F2.8では窓の縁がにじみ、
F8でははっきり見えます。
ただ、
写真の大半を占めているのは幹と葉です。
幹と葉はF2.8でもF8でも同じに写っているので、
1枚全体で見ると、植え込みの2枚ほどの差にはなりません。
3組を並べて分かったのは、次のことです。
絞りを開けても閉じても、
ピントを合わせた物そのものは、はっきり写ります。
変わるのは、
ピントを合わせた物から離れた場所の写り方です。
植え込みのように、
手前の物にピントを合わせて、遠くに背景がある構図では、
絞りの違いがはっきり出ます。
欄干の写真のように、
写っている物が全部遠くにあると、
どれもピントが合って見えるので、
絞りを変えても見た目が変わりません。
これはレンズの理屈の話で、
GR IIIに限ったことではありません。
Instagramでは
「どれだけ寄れるか」でボケが決まると書きました。
今回の作例では、それに加えて、
主役から背景までの距離もボケ方に関わっていました。
GR IIIよりセンサーが小さいPowerShot G16でも、
玉子に寄って、F1.8・F4・F8で撮り比べました。
奥のカップと手前のかごのボケがどう変わったかを、
こちらにまとめています。

絞りを変えると、シャッタースピードとNDフィルターも動いていた
絞りだけを変えたつもりでも、
撮影データを見ると、ほかの数字も動いていました。
1つ目は、シャッタースピードです。
植え込みの2枚は、
F2.8で1/2500秒、F8で1/400秒でした。
絞りを絞った分、
カメラがシャッタースピードを遅くして、明るさを合わせています。
この差が目で見て分かるのが、
同じ日に公園の噴水で撮った参考の2枚です。

F2.8の1/800秒では、
水しぶきが粒のまま止まっています。
F8の1/100秒では、
同じ水しぶきが線になりました。
写っている物は同じでも、
シャッタースピードが遅くなると、動いている物はこう変わります。
遅くなりすぎて困ったのが、
このあとの1枚です。
撮影のあとは、
そのまま帰る予定でした。
ただ、
帰り道でスタバのさつまいものフラペチーノが目に入り、
気がついたら財布を持ってお店に入ってました。笑
せっかくなので、
F8のまま、店を出てすぐの休憩スペースの机でカップを撮りました。
シャッタースピードは、1/4秒でした。

屋外ではF8でも1/400秒だったのが、
店の中では1/4秒。それだけ暗かったということです。
1/4秒は、
手で持ったまま撮ると、まずぶれる遅さです。
手ブレ補正をオンにしていましたが、
ロゴの輪郭が二重になり、上のクリームの縁もにじみました。
同じ机で、絞りをF2.8にした1枚は、
シャッタースピードが1/30秒で、ロゴがはっきり止まっています。

絞りをF2.8からF8へ3段絞った分、
シャッタースピードも1/30秒から1/4秒へ3段遅くなっていました。
屋外では気にならなかった副作用が、
暗い場所では、そのまま手ブレになりました。
この1枚で、
次から守ることを2つ決めました。
絞りを変えたら、
撮る前に液晶のシャッタースピードを見ること。
1/30秒を切っていたら、
ISO感度を上げること。
2つ目は、NDフィルターです。
「NDフィルター」は、
サングラスのように、レンズに入る光を減らすフィルターです。
GR IIIには、
これが本体の中に入っています。
GR IIIは、
F2.8のときはシャッタースピードが1/2500秒までしか上がりません。
その代わり、
明るい場所では、このNDフィルターが自動で入ります。
今回の40枚のうち、
F2.8で撮った4枚にNDフィルターが入っていました。
作例3の欄干の1枚も、そのうちの1枚です。
撮っているときは、
NDフィルターが入ったことに気づいていません。
使ってわかったこと
良かったところ
絞りの変更が速いことです。
前ダイヤルを1クリック回すごとに、
F2.8→F3.2→F3.5のように、F値が少しずつ動きます。
面談の帰りに寄った短い時間で、
川沿いだけで33枚撮れました。
気になったところ
気になったのは、
クリックの数で絞りを合わせようとして、外したことです。
F5.6のつもりでダイヤルを回したら、
F4.5でした。
ダイヤルの手応えだけで数えずに、
液晶の数字を見て止めるのが確実です。
中古でGR IIIを選ぶときに見るポイント
中古で見ておきたい点を、
2つに絞りました。
1つ目は、センサーのゴミです。
GR IIIはレンズが本体と一体なので、
一眼レフやミラーレスのように、レンズを外してセンサーを掃除できません。
センサーのゴミは、
絞るほど写真に出やすくなります。
今回はF8で空を撮った2枚を確認して、
目立つゴミはありませんでした。
F11からF16までは、
今回は撮っていないので分かりません。
センサーのゴミがどう写るかは、
以前の記事に書いています。

2つ目は、設定です。
中古は、
前の持ち主の設定が残っていることがあります。
今回のNDフィルターは「オート」でした。
買ったら最初に設定をリセットして、
NDフィルターとISO感度の設定を見ておきます。
まとめ
GR IIIで、
平和公園の植え込み、欄干越しの川、柳の幹を、
F2.8とF8で撮り比べました。
手前50cmの植え込みにピントを合わせた2枚は、
F2.8で対岸の木がボケて、F8で形が戻りました。
同じF2.8でも、
欄干越しの遠景は、F8と並べて見分けがつきませんでした。
差が出るかどうかは、
絞りの数字だけでなく、
ピントを合わせた物と背景の距離にも左右されていました。
絞りを変えるとシャッタースピードが変わり、
明るい場所ではNDフィルターが入ることもあります。
次にGR IIIが入ってきたら、
F5.6も撮って3段階で並べるのを、
宿題にしておきます。
GRシリーズの初代、
2013年のRICOH GRも、この撮影の1週間後に入荷してきたので、
曇りの屋上庭園で、同じ池をカラーとハイコントラスト白黒で撮り比べました。

Instagram(@camera_kenya)でも、
毎週の撮影を載せています。
